The Sun Don't Lie

Sun Don't Lie

Sun Don't Lie

93年の作品。実に9年ぶりのリーダー作。この作品をリリースするまでのマーカス・ミラーはもっぱらプロデュース業に専念していた時期がながく、その作品もあまり「弦ベース」を使ったプレイは聴かれなかった。まぁ、トータルミュージシャンとしての地位を着々と固めていたのかも知れない。欲求不満が溜まりにたまったファンの「思いっきりベースプレイを聴かせて欲しいぃぃぃ!!」という期待に見事に応えた作品。
M9「Teen Town」は、ジャコ・パストリアスのカヴァーだが、この曲をこの速さで、それもスラップで再現したのは驚愕に値した。もちろん僕は最初から諦めてコピーなんてしても見なかったのだが(笑
このアルバム以降、彼は存分にベース・プレイをクローズアップした作品をリリースすることになる。
ベーシストのリーダー作というのは一歩間違えば退屈この上ない出来になる危険性が伴う。彼の作品にもそれは当てはまる。が、それも聴き方の問題かも知れない。
ベースでメロディーをとる・・・・そう意識せず聴いたほうが彼のソロアルバムの真価が素直に感じられる。あくまでも「たまたま」ベースでリードを弾いているだけなのだ。決して色物では無い。
まぁ「こんな風に弾きたいか?」「こういうベーシストになりたいか?」というのは別次元の問題ですが(笑

ちなみに僕のお勧めはM2「Steveland」・・・この曲、タイトルからも分るようにスティーヴィー・ワンダーにちなんだ曲。当時のインタヴューで「スティーヴィーの独特なこぶしまわしをベースで表現してみた」なんて発言してた記憶があるが・・・・うーむ納得。
一度意識して聴いてみて欲しい曲だ。