広瀬正

昨日の日記で触れた、ロバート・A・ハインラインの影響を多大に受けてた日本のSF作家だ。詳しくはコチラ→http://homepage3.nifty.com/boumurou/book/hirose/
不遇の天才で若くして他界。その作品は多くは無いが名作ぞろいだ。「SF作家」と書いたが、方向性を模索していた時期があるのか、推理小説なんかも書いていてそれはそれでかなりの完成度であったりする。尚且つテナーサックスプレイヤーとしてミュージシャンの一面も持つ。

お薦めは。。。

マイナス・ゼロ (集英社文庫 141-A)

マイナス・ゼロ (集英社文庫 141-A)

昭和、戦前戦後の東京を舞台に繰り広げられる時間モノSF。まさに「タイムマシン」が主役のストーリー。タイムマシンに過去に置いてきぼりにされた主人公が「現在」にたどり着くまでを描いている。ラストはまさにどんでん返し。全ての謎が霧が晴れるように明らかになる快感はまさにエンターテイメントだ。
タイム・パラドックスの持ち込み方はハインラインの「輪廻の蛇」という作品に近いものがあるが、更にひねりを加えた感じ。加えて昭和の東京というノスタルジーを感じさせる舞台が独自の雰囲気を醸し出している。

ああ、この人もっと長生きしてもっともっと多くの作品をリリースして欲しかったなぁ。